不動産用語集
あ行
青田売り
元々は農家が米の収穫を見越して、まだ青田のうちに米の先売りをすることをいいます。
不動産売買における用語としては、造成工事や建築工事が未完成のうちに、その宅地や建物を先売りすることを意味します。
宅地建物取引業法には、宅地建物取引業者が青田売りをする場合、開発許可や建築確認を済ませた後でなければ広告や契約をしてはならないという規定が置かれています。
なお、新築物件は青田売りによって販売されることが多くなっています。
空家等対策特別措置法
管理が不適切な空家等(空き家やこれに附属する工作物)が防火・衛生・景観などに悪影響を及ぼすことから、地域住民の安全と生活環境を守るために平成27年(2015年)に施行された法律です。
市区町村が空家等の調査・指導・命令などを行えるようにし、特定空家等に関しては代執行も可能です。
令和5年(2023年)施行の改正では「管理不全空家等」への早期対応や「空家等活用促進区域」などが追加され、空家等の利活用も促進されています。
悪意
法律用語では、ある事情を知っていることを悪意といいます。
反対に、ある事情を知らないことを善意といいます。
悪意か善意かはさまざまな場面で問題になります。たとえば、動産の即時取得(民法192条)は、取引相手が無権利者であることを知らないこと(善意)が要件のひとつですので、そのことを知っている場合(悪意)には成立しません。
悪意占有
本権がないことを知りながら占有を続けることを悪意占有といいます。
たとえば、他人の土地だと知っているにもかかわらずその土地に居座っている者は、土地を悪意占有していることになります。悪意占有者(悪意占有をしている者のこと)は、占有物から生じる果実(物から生じる収益のこと)を返還しなければなりません(民法190条)
また、占有物を滅失させた悪意占有者は、全額について損害賠償責任を負います(同法191条)
さらに、悪意で占有を始めた者が取得時効により所有権を取得するためには、20年間の継続占有が必要となります(同法162条1項)
RC造
鉄筋とコンクリートとを、それぞれ抵抗するように組み合わせ、両者が付着することにより高い強度を生み出す、建物の構造をいいます。
鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete Construction)とも呼ばれます。
高い耐久性・遮音性・耐震性・耐久性を持っているというメリットがありますが、建物の重量が重くなるため、軟弱な地盤や大空間を用いる建物には不向きであるといわれています。
言い値
不動産取引において、売主が希望している売り出し金額のことです。
売主は、通常、少しでも高く売りたいと考えるため、言い値は高めに設定される傾向があります。
売主は、媒介契約をした不動産取引業者から、言い値について助言を受け、価格調整をして、実際の売り出し金額(出し値)を決定することが一般的です。
これに対して、買主が希望している買い取り金額のことを指値といいます。
遺言
人が生前に決めておいた最終の意思に効力を認めて、その実現を図る制度で、その人の意思を記録することを遺言といいます。
日常用語では「ゆいごん」ともいいます。
遺言をするときは、民法で定められた一定の方式に従わなければなりません(民法967条以下)。たとえば、自筆証書遺言は、遺言をする人が遺言の全文、日付、氏名を自分で書いて印を押さなければならないとされています。
遺言執行者
遺言の内容を実現する者のことです。
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行にひつような一切の行為をする権利義務を有します(民法1012条1項)
遺言執行者は相続人全員の代理人ですが、独自の立場で遺言の執行を行うことになっています。
遺産分割
共同相続の場合において、相続人の共有となっている遺産を各相続人の相続分に応じて分割して、それぞれの相続人の単独財産とすることを遺産分割といいます(民法906条)
原則として、遺産分割は相続人同士の合意により自由にその内容を決定できます。
また、遺産分割の効力は、相続開始の時点に遡って生じます。
意思表示
一定の法律効果の発生を目的とする意思(効果意思)を、外部に向けて表示する行為です。
たとえば、契約の申込み・承諾、遺言などです。
意思表示を行う方法は、口頭・書面・メールの他、ジェスチャーなどでもかまいません。
囲障設置権
所有者の異なる2棟の建物があり、その間に囲障を設置できる空間がある場合、その建物の各所有者が、他の所有者と共同して、その境界に囲障を設けることができる権利をいいます(民法225条)
囲障とは、柵や塀のことを意味します。
囲障の設置と保存の費用は、原則として、各所有者が等しい割合で負担します(民法226条)
異時配当
同じ債権の担保として、数個の不動産に抵当権を有している者が、一部の不動産のみを競売し、その競売代金から弁済を受けることをいいます。
たとえば、AがBに1000万円の債権を有し、この債権の担保として、B所有の甲不動産(1500万円)と乙不動産(1000万円)に抵当権が設定された場合に、乙不動産のもを競売にかけて1000万円のべんさいを受けるのが異時配当にあたります。
このとき、競売された方の不動産に後順位抵当権者がいる場合、その後順位抵当権者は、同時配当をしたならば、他の不動産からその競売した抵当権者が受けるべきであった金額について、その抵当権を実行することができます。
たとえば、前途の例で乙不動産に後順位抵当権者のCがいたとすると、Cは甲不動産に設定されているAの抵当権を用いて自己の債権を回収できます。
遺贈
遺言によって遺産の全部または一部を無償で譲り渡すことです。
自分が死亡した後、特定の者に財産を与えたいと考えた場合に遺贈が行われます(民法964条)
相続人であってもそれ以外の者であっても、原則として誰でも遺贈を受けることができます。
委託管理
主に管理組合がマンションの管理や運営を管理会社に委託することをいいます。
管理組合と管理会社の間で委託管理契約を締結して行われます。
委託管理には、管理や運営のすべてを委託する全面委託管理、特定のものだけを委託する部分委託管理の2種類があります。
管理会社に支払う費用は、委託の程度が高いほど高額になります。
これに対して、外部に委託せずに住民自体が管理や運営をすることは自主管理といいます。
1号仮登記
仮登記のひとつで、権利変動が生じた場合に行うことができる登記のことです。
1号仮登記は、権利の移転をはじめとする実体的な物権変動自体は既に生じているものの、登記を申請する際に必要となる登記識別情報や第三者の許可・同意・承諾を証する情報が提供できない場合に申請します。
不動産登記法105条1号に規定されているため、1号仮登記と呼ばれます。
たとえば、不動産売買によって所有権が移転したときに1号仮登記を申請する場合、登記の目的については「所有権移転仮登記」、原因については「令和〇年〇月〇日売買」と記載します。
一時金
不動産の賃貸借契約時に、賃料とは別に借主から貸主に対して支払われる金銭のことです。
一時金は、敷金や保証金など「預り金的性格を有するもの」と、礼金や権利金など「賃料の前払的性格を有するもの」に大別されます。
前者は原則として借主への返還を要し、後者は返還を要しないとされています。
なお、近年散見される「契約一時金」や「入居一時金」と呼ばれるものは、特段の定めがない限り返還されないことから、礼金に近い性質を有すると解されています。
一物一権主義
物件の性質を示す原則です。
以下の2つの意味を含んでいます。
まず、1つの物権の対象は、1つの独立した物でなければなりません。
物権の独立性ともいいます。
たとえば、1冊の書籍の上半分のみに物件を設定することはできません。
次に、1つの物には同じ内容の物権は一つしか存在できません。
物権の排他性ともいいます。
同一の物に対して同一内容の物権が複数成立すると、物への直接的支配が失われ、特定の物を直接的に支配する権利という物権の定義に矛盾するからです。
一括申請
複数の不動産、複数の登記事項について、一つの申請書で申請することをいいます。
一括申請は、一件一申請主義の例外にあたります。
一括申請は、不動産登記令、不動産登記規則に定められた要件を満たす場合や先例(登記先例)等で認められたケースについてだけ行えます。
一括申請が認められる一般的な要件は、
①同一の登記所の管轄に属する不動産であること
②登記の目的が同一であること
③登記原因およびその日付、当事者が同一であること
です。
なお、たとえば③が同一でなくとも、同一の債権を担保するために、同一管轄の甲所有の土地と乙所有の土地に共同抵当権を設定するという場合にも一括申請が可能であるなど、例外的なケースも存在します。
一括売却
競売など不動産執行において、複数の不動産を、それを利用する上で一括して同じ買受人に売却したほうが、不動産の価値を高めることができるという場合に認められる方法のことです。
一括売却をするか否かは、原則として、執行裁判所が自由に決めることができます。
また、それぞれの不動産に対する債権者や債務者が異なっている場合でも行うことができます。
ただし、一部の不動産を売却することで、すべての債権を弁済できる見込みがある場合には、債務者の同意が必要条件になります(民事執行法61条)
一件一申請主義
不動産登記の申請をする場合には、登記の目的及び登記原因に応じ、一つの不動産ごとに申請情報を作成し、登記所に提供しなければならないという原則のことです。
たとえば、抵当権を抹消してから土地を売却する場合には、抵当権の抹消登記と所有権移転登記の2つの申請情報を作成する必要があります。
登記の目的がそれぞれ、抵当権抹消と所有権移転で異なるからです。
また、所有している5つの土地を同一人物に売却する場合でも、土地ごとに売却日が違う場合は、登記原因日付が異なるため、5つの所有権移転登記申請情報を作成します。
一身専属権
行使できる者が限られている権利のことです。
身分法(婚姻関係や親子関係に関する法律)で認められている権利の多くが一身専属権です。
扶養請求権(民法877条)、配偶者居住権(民法1028条)などが一身専属権にあたります。
一身専属権は、原則として債権者代位権(民法423条)の目的とすることができず、他人への譲渡や相続をすることもできません。
一般定期借地権
存続期間を50年以上とする定期借地権のことです(借地借家法22条)
定期借地権の一種であり、契約の更新はできませんが、50年以上安定した契約関係を保てるのがメリットです。
借地上に建てる建物の用途の制限はありません。
また、存続期間満了時に建物買取請求権を行使することができず、借主は土地を更地にして貸主に返還する必要があります。
なお、一般定期借地権を設定する場合は、その契約時に公正証書などの書面または電磁的記録を作成する必要があります。
一般媒介契約
依頼者が複数の不動産会社に対し、重ねて不動産取引の依頼ができる媒介契約のことです。
専任媒介契約や専属専任媒介契約のように、他の不動産会社への依頼が禁止されず、依頼者が自由に相手方を探すことが可能です。
ただし、依頼を受けた不動産会社には、依頼者への報告義務はなく、指定流通機構への登録も任意です。
他の媒介契約に比べて、不動産会社が取引成立のために積極的に動く可能性が低い契約形態だといえます。
一筆
筆とは、土地の単位のことです。
1個の土地を一筆の土地といいます。
原則として、1個の土地の範囲は自由に定めることができるため、外見上、複数の区画に分かれている場合でも、一筆の土地(1個の土地)とすることができます。
なお、一筆の土地を複数に分けることを「分筆」といいます。
1つの登記記録には、一筆の土地または1個の建物についての権利関係が記録されます。
移転登記
現在、登記記録に記録されている登記名義人から、新しい権利者へと登記の名義を移すことをいいます。
たとえば、土地を売買したときは、売主から買主へ土地の所有権の移転登記を行います。
例外として、地役権のみを独立のものとして譲渡することはできませんので、地役権は移転登記の対象になりません。
囲繞地
他の土地に囲まれて公道に通じていない土地(袋地)から見て、その土地を囲んでいるほかの土地のことをいいます。
袋地の所有者は囲繞地通行権を有します。
公道に出入りできなければ実際には土地の利用ができないため、袋地の所有者は、公道に出るために囲繞地を通行できるとされているためです(民法210条)
この囲繞地という言葉は、2004年の民法改正で条文からは削除されましたが、他に適切な言葉がないため、依然として使われています。
委任
当事者の一方(委任者)が、法律行為をすることを相手方(受任者)に委託し、相手方がこれを承諾することで成立する契約です(民法643条)
たとえば、不動産業者に対し、土地の売却を依頼することが挙げられます。
民法上の委任は、無償を原則とし、いつでも解約ができます。
なお、法律行為以外の事務処理の委託を準委任といいます(民法656条)
たとえば、司法書士に対し、不動産登記手続きを依頼することが挙げられます。
居抜き
建物の売買や賃貸借にあたり、もともと存在していた設備や器具、家具類などが残ったままで、それらを利用できる状態をいいます。
たとえば、以前飲食店であった物権について、飲食店経営を目的に賃貸借契約を結ぶ場合などに見られることが多いようです。
居抜きの建物を購入・賃借すると、既にある設備などを利用することができ、初期費用を抑えることができるという利点があるため、数多く取引されています。
違反建築物
建築基準法に規定されている規制に適合していない建築物のことをいいます。
建築当初から規制に適合していない場合や、建築当初は規制に適合していたが、増改築を行うことで規制に適合しなくなった場合などのパターンがあります。
特定行政庁は、違反建築物に対して、工事施工禁止・除却・改築など、必要な是正措置の指示ができます。
違約金
債務不履行があった場合に、債務者が債権者に支払うことをあらかじめ当事者間で約束した金銭のことです。
民法は、いたずらな紛争を避けるために、違約金は賠償額の予定であると推定しています(民法420条3項)
しかし、債権者が違約金が他の性格をもつこと(違約罰であること)を立証して推定を覆せば、実際に被った損害額を請求することができます。
違約手付
債務不履行に対する違約罰または損害賠償額の予定の趣旨で交付される手付のことです。
手付の交付者に債務不履行がある場合は、受領者が手付を没収します。
これに対し、手付の受領者に債務不履行がある場合は、交付者に手付の倍額を償還します。
手付は解約手付と推定されますが、同時に違約手付の性質をもたせることが可能です。
入会権
特定の地域(集落など)の住民が、特定の山林・原野に入って堆肥・家畜飼料・燃料などに用いる草木を採取したり、特定の漁場に入って漁をしたりするなど、共同で収益する権利のことです。
明治時代以前から慣習上の権利として認められていたものについて、民法もこれを物権のひとつとして認めたものです。
遺留分
兄弟姉妹を除いた相続人に認められている、法律上最低限相続できる割合のことです(民法1042条)
遺留分を持っている相続人のことを遺留分権利者といいます。
被相続人は自らの財産を自由に処分できるのが原則です。
しかし、相続人が被相続人の財産により生活することを期待している場合もあるので、被相続人の財産が相続人に全く入らないことになると、相続人が生活に困ることになりかねません。
そこで、法定相続分の2分の1または3分の1は、遺留分として最低限入手できるものとしました。
印鑑証明書
押印した印影が、市区町村や登記所に印鑑登録されたものであることを証明するための書類です。
たとえば、登記申請の際に添付情報として、登記義務者の印鑑証明書が必要な場合があります。
個人の場合は、市区町村に登録している印鑑、法人の代表者の場合は登記所に登録している印鑑についての印鑑証明書を添付します(法人については、原則、申請情報に会社法人等番号を記載すれば添付省略可能)
所有権移転登記の申請では、登記義務者の印鑑証明書を添付します。
また、所有権以外の権利に関する登記申請に関して、事前通知制度を利用する場合にも登記義務者の印鑑証明書を添付します。
法人代表者の印鑑証明書が全国の登記所で取得できるのに対し、個人の印鑑証明書(正式には印鑑登録証明書)は市区町村窓口やマイナンバーカードを利用しコンビニエンスストアなどで取得できます。
印紙税
文書にかかる税金で、収入印紙を貼付することで印紙税を納めていることになります。
印紙税が発生する事例は、印紙税法で具体的に規定されています。
おもなものは
①1万円以上の不動産の売買契約書など
②10万円以上の約束手形または為替手形
③5万円以上の売上代金の領収書や有価証券の受取書などのケース
で、契約書などの記載金額や領収金額によって印紙税額が決まっています。
請負
請負人がある仕事の完成を約束し、注文者がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束することによって成立する契約です(民法632条)
たとえば、家の建築を業者に依頼することが挙げられます。
この場合、家の建築を依頼した人が注文者、依頼を受けて家を建築する業者が請負人となります。
受付番号
登記所が登記の受付順につけていく番号のことです。
受付番号は1年毎に更新され、年が変われば1からカウントし直されます。
1つの登記所の中では、受付番号及び受付年月日(登記所が登記の申請を受け付けた年月日のこと)が同一の登記は複数存在しないのが原則です(ただし、同時申請は例外となります)
そのため、実務上、受付番号と受付年月日は、登記の特定に役立っているといえます。
内金
代金の一部を前払いする趣旨で交付される金銭のことです。
内金は手付とはその性質が異なります。
手付(解約手付)が交付された場合は、その後に手付の放棄(または手付の倍額の償還)によって、契約を解除することができます。
しかし、内金が交付された場合は、このような形での契約の解除はできません。
内法・内法面積
壁の内側の寸法で計測した床面積のことをいいます。
登記簿面積や公簿面積とも呼ばれ、分譲マンションなどの区分所有建物の登記簿には、この内法面積が記載されることになります。
一方、建築図面や不動産広告では、壁の厚みの中心線から計測された壁芯面積が記載されることになり、同一物件に2種類の床面積が存在することになります。
住宅ローン減税などの面積要件は内法面積が基準となりますので、不動産購入時には内法面積を確認する必要があります。
売建て住宅
不動産開発業者(デベロッパー)が宅地を分譲する際、購入者との間で建築請負契約を結び、その分譲した宅地に建てる建物(一戸建住宅)のことです。
売建て住宅では、宅地の売買の後に(または同時に)建築請負契約を結ぶため、購入者がある程度自由に建築する建物の設計プランを決定できるという利点があります。
一方、建物の売買で多く見られるのは、既に建てられている建物を対象にする建売住宅です。
売主の契約不適合責任・売主の担保責任
売買契約の目的物が契約の内容に適合しない場合に売主が負う責任のことです。
2017年の民法改正によって、売主の担保責任に関する規定が大きく変わり、売主の契約不適合責任と呼ばれるようになりました。
売主には、買主に対し、売買契約の目的物を契約の内容に適合する形で引き渡す義務があります。
これに反して引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合(これを契約不適合といいます)売主は契約不適合責任を負わなければなりません。
具体的には、買主からの追完請求権、代金減額請求権、損害賠償請求権、契約解除権の行使に応じる形で、売主が責任を果たす必要があります(民法562条~564条)
なお、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しない場合も、売主は契約不適合責任を負います。
売渡承諾書
物件の売主が、売渡しの条件(価格など)を記載して、この条件を満たす場合に売買契約を締結してもよいという意思を示すための書面をいいます。
これに対して、物件の購入希望者から発行された書面は、買付証明書といいます。
売渡承諾書は、買付証明書への応答として、購入希望者に対して発行されます。
もっとも、売渡承諾書によって売主の最終的な意思が示されたわけではありませんので、売渡承諾書を発行したからといって売買契約締結の義務を負うものではありません。
営業保証金
宅地建物取引業者が営業開始にあたり供託所(法務局)に供託しなければならない保証金のことです。
宅地建物取引業で取り扱う商品(物件)は非常に高額です。
万が一、取引上でトラブルが起きた場合、消費者に莫大な損害が生じる可能性があります。
そこで、消費者への損害賠償に備えるため、一定額を供託することが宅地建物取引業者の営業開始条件となっています。
営業保証金の額は、主たる事務所が1000万円、従たる事務所が500万円です。
永小作権
小作料を支払い、他人の土地を耕作または牧畜のために使用する権利のことです(民法270条)
現在では、土地を利用する権利としては賃借権が利用されますので、永小作権はほとんど利用されていないのが実情です。
液状化現象
土地の地盤において、水分を多く含んだ砂の層が液体のように流動化して、水圧が高くなった地下水が、砂と共に噴き上がる現象をいいます。
液状化現象は、一般に水分を多く含んだ砂質の地盤である盆地や砂丘、砂州など、小さい砂の粒子が豊富である場所で多く見られます。
また、埋立地や干拓地など、人工的に形成された地盤でも、液状化現象は多く見られます。
液状化現象は地震の揺れによって発生するのが一般的です。
SRC造
建物の構造のひとつで、鉄骨の周りに鉄筋コンクリートで補強を施した構造をいいます。
鉄骨鉄筋コンクリート構造(Steel Reinforced Concrete Construction)とも呼ばれます。
耐火性や耐久性が高いRC造(鉄筋コンクリート構造)の特徴を保ちながら、柱や梁などのサイズが小さく、建物の重量を抑えることができます。
そのため、高層マンションなどに適した構造ですが、コストが高くなるというデメリットがあります。
N値
地層の硬さを示す値をいいます。
具体的には、土地の硬度を測るために行われる、ボーリング調査の際に、重さ63.5㎏のハンマーを76㎝落下させ、試験用サンプラー(鋼製パイプ)を30㎝土中に打ち込むのに要するハンマーの打撃回数がN値にあたります。
高層マンションの建物の基礎になる土地は、N値50以上の地盤が5m以上連続している固い地層(支持層)でなければなりません。
延納
税金の納付期日までに納めるのを延ばすことです。
国税は一括納付が原則ですが、相続税・贈与税などは一括納付ができない場合があるため、担保を提供することで、延納として分割(年賦)納付することができます。
ただし、延納期間中は利子税がかかります。
なお、相続税・贈与税に附帯する加算税・延滞税・連帯納付責任額については、延納の対象ではありません。
乙区
不動産登記記録の権利部のうち、所有権以外の権利についての事項が記録される部分のことです。
乙区に登記される権利は、用益権と担保権の大きく2つに分かれます。
用益権とは、賃借権や地上権など、他人の不動産を利用する権利のことです。
担保権とは、抵当権や質権など不動産を担保にする権利のことです。
たとえば、丙が所有するAという土地があり、その土地に甲名義の抵当権が設定された場合、乙区には「1 抵当権設定」などと記録されます。
おとり広告
客を呼び寄せることを目的として、実際には取引することができない物件の情報を広告に載せることをいいます。
たとえば、架空の物件や、既に募集が終了している物件、売主に売却意思がない物件などを載せた広告が、おとり広告にあたります。
不動産会社によるおとり広告は、宅地建物取引業法32条(誇大広告等の禁止)に違反する為、「不動産の表示に関する公正競争規約」にも違反します。
しかし、現実には、おとり広告による集客が横行しており、さまざまなトラブルが生じる原因にもなっています。
オンライン指定庁
オンライン申請が可能な登記所のことです。
オンライン申請を利用するには、登記所が法務大臣から指定を受けている必要があるため「指定庁」と表現されます。
オンライン指定庁では、書面による申請も取り扱っています。
なお、指定次期が登記所ごとに異なっていたため、かつてはオンライン申請ができる登記所とできない登記所が混在していましたが、現在ではすべての登記所が指定を受けており、オンライン申請が可能です。
オンライン申請
インターネットを利用して、自宅や事務所などから不動産登記や商業登記に関する手続きを行うことです。
オンライン申請を行う場合は、「登記・供託オンラインシステム」のホームページからダウンロードした「申請用総合ソフト」などを通じて、申請書・添付書類などに記載すべき事項の情報を登記所に送信します。
オンライン申請では、電子署名と電子証明書により本人確認を行います。
登記申請に必要な登録免許税は、インターネットバンキングなどによる電子納付の他、収入印紙などにより支払います。
か行
買換え交換特例
事業に使用している土地・建物を、特定の地域内の土地・建物に買い換えて事業の用に供したときや、特定のマイホームを代わりのマイホームに買い換えたとき(令和9年12月31日までの譲渡に延長見込み)に、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べる制度をいいます。
たとえば、事業用の土地や建物を買い換える際は、買い換えた資産(買換資産)を取得日から1年以内に事業に使用することや、資産を譲渡した年の前後1年を含む3年の間に買換資産を取得することなどが特例を受ける条件となっています。
解除
当事者の一方的な意思表示によって、契約関係を解消することです。
解除が有効に成立すると、契約は最初からなかったことになりますが、第三者の権利を害することはできません。
また、契約に基づき既に履行された部分は元に戻す必要があり、これを原状回復義務といいます(民法545条1項)
さらに、契約を解除した者に損害が発生している場合は、解除権の行使とは別に損害賠償請求も認められます(同法545条4項)
解除契約
当事者の合意によって契約関係を解消することで、合意解除ともいいます。
法定解除は、法律が定める要件を満たす必要があります。
しかし、解除契約は当事者による新たな契約であるため、契約自由の原則により、当事者の合意に基づき自由に行うことができます。
解除権の留保
一方的な意思表示で契約の解除ができるという「解除権」を手元に残しておくことです。
解約権の留保ともいいます。
当事者間の特約で定めた場合のほか、解約手付が交付された場合に、解除権の留保(解約権の留保)が生じます。
契約の解除をするには、相手方の債務不履行といった法律が定める解除事由が必要です。
しかし、解除権の留保がある場合は、相手方に法律が定める解除事由がなくても、自らの意思表示だけで契約の解除ができます。
解除条件
法律行為の効力に関する条件で、条件が成就すると既に発生している効果が消滅するものをいいます。
また、「いったん成立した建物の売買契約について、住宅ローンの融資が受けられなければ、その効力が消滅する」という内容の契約を解除条件付契約といいます。
買付証明書
不動産の購入を希望している人が、売主や不動産会社に対して、その物件を購入する意思(買付の意思)があることを表明する書類のことをいいます。
物件の表示や、購入希望価格、支払時期や支払方法などについて記載している書面です。
買付証明書はあくまでも買付の意思があることを相手に伝えるための書類であり、売買契約を締結するような確定的効力を生じさせるものではありません。
買付証明書を交付しても、正式に売買契約を締結するまでは、買付の意思を自由に撤回することができます。
買取仲介
不動産業者が、売主から不動産を買い取ったうえで、これを購入希望者に売却するという形式をとる仲介のことです。
買取仲介によれば、売主は短期間で不動産を現金化することができます。
また、売却することにより不動産の維持管理や内覧対応などの手間から解放されることになります。
ただし、通常の仲介の場合よりも、売却によって得られる金額が低くなる可能性があります。
買取保証
不動産業者が、売主から物件の売却について依頼を受けた際に、一定の期間内に買主を見つけることができなかった場合には、不動産業者が一定の金額でその物件を買い取ることをあらかじめ約束しておくことをいいます。
買取保証は、現在所有している物件を売却し、その売却代金で、新しい物件を購入(買い替え)しようと考えている場合などに利用されます。
買取保証があれば、売主は最低限手元に入ってくる売却代金を把握できることになるため、買い替えの条件として良い物件を発見次第、その購入に着手することが可能になります。
界標設置権
土地所有者が、隣の土地所有者と共同して費用を負担して、境界を標示するものを設置できる権利のことをいいます(民法223条)
現在では「境界標設置権」とも呼ばれています。
これが認められるのは、土地を所有している隣同士の間に争いがない場合だけです。
標界の設置と保存については、隣同士が2分の1ずつ負担し、測量のためにかかる費用については、それぞれが所有する土地の広さに応じて負担するものと、民法で規定されています(民法224条)
回復登記
本来は抹消する理由がないにもかかわらず不適法に抹消された登記を元の状態に回復する登記のことです。
「抹消回復登記」ともいいます。
なお、登記記録そのものが消滅した場合、法務大臣は登記官に対して、登記記録の回復に必要な処置を命じることができます。
界壁
マンションやアパートなどの各住戸の間を区切っている壁のことです。
法律上、一定の防耐火性能や遮音性能が要求され、また天井裏に達するよう設置しなければならないとされています。
買戻し
不動産の売買契約と同時になされる特約に基づいて、売主が自身に留保されている解除権を行使して売買契約を解除することです(民法579条~585条)
買戻しは担保として利用されることがよくあります。
たとえば、融資を受けたい者が、買戻しの特約を付して自分の不動産を売却して金銭を受け取り、期限までにその金銭と契約費用を返還して不動産を取り戻すというしくみです。
買戻特約の登記
売買による所有権移転登記(または所有権保存登記)と同時にする、売買を解除できるとする特約の登記のことです。
買戻特約(民法579条)がなされると、売主は売買代金と契約費用を提供することで売買契約を解除することができ、その解除権を登記しておくことができます(民法581条)
買戻特約の登記申請は、売買による所有権移転登記(または所有権保存登記)の申請と同時に別個の申請情報で行い、付記登記として記録されます。
買戻特約を結んだ場合、実際に買戻しができる期間は最長10年とされています。
10年超の期間を定めた場合は10年として扱われます。
一度、期間を定めると、その期間を延ばすことはできず、期間を定めなかった場合には、5年以内に買戻しをしなければなりません(民法580条)
買戻特約の絶対的登記事項は、売買代金と契約費用です。
売買代金とは、買主が目的物の対価として売主に支払った金額をいい、契約費用とは、売買契約を締結する際に必要となる費用のうち、買主が支払ったものをいいます。
解約
賃貸借、雇用、委任などの継続的な契約関係を、ある時期から将来に向かって消滅させることをいいます。
解約のことを「告知」という場合もあります。
解除も解約も契約関係を解消するという意味では共通しています。
しかし、解除が契約を最初からなかったものにする場合(遡及効)を指すのに対し、解約は将来に向かってのみ契約の効力を失わせる場合(将来効)を指すという違いが見られます。
もっとも、民法の条文においては、解約を意味する場合でも「解除」という文言が使用されている場合があります(民法620条)
賃貸借契約を解除して、契約を最初からなかったものにすると、賃貸人は支払いを受けた賃料をすべて賃借人に返さなければならなくなるなどの不都合が生じます。
そのため、賃貸借契約等を解消することは、将来に向かってのみ効力を生じる解約であるとして解除と区別しています。
解約手付
手付の金額だけの損失を覚悟すれば、相手方の債務不履行がなくても契約が解除できるという趣旨で交付される手付のことです。
相手方が履行に着手する前であれば、手付を交付した者は手付を放棄し、手付を受け取った者はその倍額を償還することによって、契約の解除をすることができます(民法557条1項)
家屋番号
一個の建物ごとに付された番号のことです。
基本的には、建物の敷地の地番と同一の番号が付されます。
なお、同じ地番の土地上に、複数の建物が存在する場合などには、建物ごとに枝番(支号)がつけられます。
建物の登記記録の表題部に「家屋番号」を記録する欄があり、たとえば、地番8の土地上の建物であれば8番、8番の1、(の1-部分が枝番)などと記録されることになります。
価格査定
不動産業者が、物件の価格について評価を行うことです。
価格査定は、不動産業者の仲介業務サービスのひとつであり、無料で行われます。
価格査定は、過去の取引事例などを参考にして行われます。
その具体的な算出方法は業者によって異なるため、査定の結果として提示される金額も業者によって変化します。
売主は、複数の不動産業者の価格査定を受けることで、その物件についてのより正確な相場を把握することができます。
なお、不動産業者に依頼する無料の査定の他に、不動産鑑定士に依頼する有料の査定もあります。
建ぺい率
敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。
建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。
さ行
敷金
建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。
修繕積立金
管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。
セットバック
2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。
た行
仲介手数料
宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。
定期借家契約
平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。
抵当権
債務者または第三者(物上保証人)が占有を移さないで債務の担保に供した不動産または地上権、永小作権から、債権者が優先弁済を受ける約定担保物件である。
債務者側(抵当権設定者)は目的物をそのまま使用し利益を得ながら担保に供せるため大変都合が良く、債権者側(抵当権者)も債権の実現が目的であるので、目的物自体の取得より効果的な方法といえる。
民法上、目的物は不動産と不動産上の地上権と永小作権に限られている。
テラスハウス
2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。
ら行
礼金
建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。